橙 政一 自己紹介へ

伝統耐震診断

公開日:2024/10/29(火) 更新日:2024/11/16(土) 耐震のこと

10月28日 大阪市阿倍野区にある古民家の伝統耐震診断をさせていただきました。

建物は常に地震発生時以外においても微細な振動を受けて建物自体も振動を起こしています。伝統耐震診断はこの微細な地盤の振動と、それに起因する建物の振動を同時に計測しその振動データを解析処理する事で建物の振動特性値を求め地震の際に建物がどう地震応答での振動をするかを推測し、耐震補強に役立てる方法です。
実際の計測は地震計を建物近くの地盤面と、建物中央部の2階床面に水平直角方向に建物の短辺方向、長辺方向に設置して数分間振動を測定、これを5回繰り返しデータを収集して解析を行います。

 

この耐震診断は伝統的な建物並びに伝統的建物に現在の建築基準法に定められている在来工法により増改築された混構造の建物の耐震性能を診断し、また耐震改修工事施工後再診断を行うことにより、耐震性能の向上を実際に確認することが可能です。

また 在来型の建物が耐力壁など構造要素の壁を多く設けて強度を確保している言わば「剛構造」の建物と分類され、伝統工法による建物は構造要素の壁が殆ど設けられていない「柔構造」の建物であるため この伝統耐震診断は有効な診断方法になります。